飯能市内の真壁住宅の調査(2015年)
飯能市の西川材は江戸時代に「西の川から来る材」として名付けられ、明治以降、良質な木材と織物は飯能を支える二大産業として発展しましたが、戦後の工業化と生活様式の変化で衰退して現在に至っています。2015年に有志10名で市街地を中心に真壁造りの建物調査を行いました。
西川材を使い近場の職人が建てた50年以上の真壁造り(蔵を含む)から今日の真壁造りまでを調査することで、戦後に建てた現代住宅がほとんどを占める市街地の中で、街道や路地を歩きながら、これらの真壁造りが“飯能市の地域性”を形成している要素だと確信することができました。この真壁造りに気候風土適応住宅を考えるうえで重要な、「その地域の自然的社会的な特殊性」と見ることができます。

旧織物協同組合

旧絹甚

畑屋

吉田屋
省エネ法による二つの住まい
脱炭素社会に向けて、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律が2015年に制定され、2025年4月1日から、すべての住宅に省エネ基準への適合が義務づけられています。 気候風土適応住宅は、地域の気候や風土の特性に合わせて設計され、伝統的な構法や工夫を取り入れた住宅です。これは、建築物省エネ法における省エネ基準への適合が難しい場合に、一定の基準を満たせば外皮基準が適用除外となります。国が定める基準のほか、各地域の所管行政庁が独自に基準を設けることができます。 気候風土適応住宅は国交省告示第786号第1項で国が土壁と板壁等の基準を決めて、第2項で所管行政庁(例:飯能市)が地域の気候風土に適った基準を決めることができます。そこで、高気密・高断熱の性能を重視した一般的な省エネ住宅「魔法瓶型」と気候風土適応住宅「真壁型」に分けて、二つの省エネ住宅の特徴をまとめてみました。